傷跡修正とは?目立つ傷跡の治療方法について
院長コラム
COLUMN
傷跡修正とは?目立つ傷跡の治療方法について
「過去の怪我による傷跡がずっと残っている」
「傷跡が盛り上がって、なかなか治らない」
「傷が白く残ってしまった」
このような傷跡に関するお悩みを抱えている方は少なくありません。
傷跡は、怪我や手術、熱傷(やけど)など、さまざまな原因によって生じます。
時間の経過とともに徐々に目立ちにくくなることもありますが、傷跡の状態によっては、自然に改善することが難しい場合もあります。
今回は、傷跡の種類や、それぞれの状態に応じた傷跡修正の治療方法について解説します。
傷跡にはどのような種類がある?
傷跡には、赤みや色素沈着、白く色が抜けた傷跡、盛り上がった傷跡、幅が広がった傷跡、凹み、皮膚のひきつれなど、さまざまな種類があります。
これらは、傷の深さや大きさ、部位、治癒過程などによって異なります。
そのため、傷跡の状態を正確に評価し、それぞれに適した治療方法を選択することが大切です。
傷跡修正の主な治療方法
傷跡修正では、傷跡の種類や状態、できた部位、周囲の皮膚の状態などを考慮し、適切な治療方法を選択します。
1.手術(瘢痕切除・縫合)
目立つ傷跡を切除し、周囲の皮膚を丁寧に縫合し直す方法です。
幅が広くなった傷跡や、形状が気になる傷跡、ひきつれを伴う傷跡などが対象となります。
傷跡そのものを完全になくすことは難しいものの、切除や縫合の方法を工夫することで、傷跡をより目立ちにくくできる可能性があります。
当院では、傷跡の状態や部位に応じて、形成外科で用いられるさまざまな手術手技を検討します。
・Z形成術:皮膚をZ字状に切開・再配置することで、傷跡の方向を変えたり、ひきつれを解除したりする方法です。
・W形成術:直線状の傷跡をジグザグ状に切開・縫合することで、傷跡の輪郭を周囲になじませ、目立ちにくくすることを目指す方法です。
・皮弁形成術:周囲の皮膚や皮下組織を移動させ、皮膚の欠損部を覆う方法です。傷跡の切除によって生じる欠損の大きさや部位などに応じて検討します。
ただし、これらの方法がすべての傷跡に適しているわけではありません。
傷跡の形状や皮膚の余裕、周囲の組織の状態などを踏まえて、適切な手術方法を選択します。
また、ケロイドや肥厚性瘢痕が生じやすい部位では、手術によって傷跡が再び盛り上がったり、悪化したりする可能性があります。特に、耳、肩、前胸部などは慎重な判断が必要です。
ケロイドや肥厚性瘢痕では、切除手術後に再発を抑える目的で放射線療法を組み合わせることがあります。ただし、適応を慎重に判断する必要があり、放射線療法は当院では実施しておりません。
2.レーザー治療
傷跡の赤みや色素沈着などに対しては、症状に応じてレーザー治療を検討することがあります。
例えば、赤みの強い傷跡と、茶色く色素沈着した傷跡では、適した治療方法が異なります。
レーザー治療によって、すべての傷跡を改善できるわけではありません。
傷跡の種類や肌の状態を診察したうえで、適応を判断することが大切です。
3.注射や外用薬による治療
盛り上がった肥厚性瘢痕やケロイドでは、ステロイドの局所注射や外用薬などによる治療が選択されることがあります。
症状や部位によっては、シリコン製剤や圧迫療法などを組み合わせる場合もあります。
治療方法は、傷跡の大きさや硬さ、かゆみ・痛みの有無、これまでの治療歴などを考慮して決定します。
傷跡修正を受けるタイミング
傷跡は、受傷直後から数か月、場合によっては1年以上かけて成熟していきます。そのため、傷跡に赤みや硬さが残っていても、時間の経過とともに改善する可能性があります。
一方で、傷跡によるひきつれが関節の動きや表情などに影響している場合や、機能障害を伴う場合には、早期の治療が必要となることもあります。
修正手術を検討する際には、傷ができた時期だけでなく、現在の傷跡の状態や部位、皮膚の緊張などを総合的に評価し、適切な治療時期を判断することが大切です。
傷跡修正で大切なこと
傷跡修正では、一人ひとりの傷跡の状態に合わせて治療計画を立てることが重要です。
治療によって傷跡を完全になくすことは難しく、修正後にも傷跡が残ったり、再び目立つようになったりする可能性があります。
また、治療方法によって、ダウンタイムや合併症のリスクも異なります。
そのため、治療によって期待できる改善の程度や限界、リスクなどについて十分に理解したうえで、治療方法を選択することが大切です。
まとめ
「昔からある傷跡にずっと悩んでいる」
「傷跡を治したいけれど、どこに相談すればよいかわからない」
「どうせ治らないと思って、傷跡の治療を諦めている」
このようなお悩みがある方は、一度、形成外科などで傷跡の状態を相談してみることをおすすめします。